車の窓から、1匹の犬が投げ捨てられます。車は走り去り、犬は残されます。そこから、犬がさまよう一日が、文字のないページで続いていきます。
この絵本の見どころ
文字がない。 説明のことばはありません。犬がどんな気持ちでいるのかは、読む人が絵を見て受けとります。
鉛筆の線。 絵は鉛筆のデッサンです。線だけで描かれた犬の体の向きや足どりを、ゆっくり目で追うことになります。
語らない絵本。 犬に名前も台詞もありません。だれも説明してくれないぶん、さびしさを読む人がそのまま受けとめることになります。
こんなときに
- 大人がひとりで、静かにページをめくりたいときに
- 犬を飼っている、または飼いたいと話している子と、大人がいっしょに
- ことばのない絵本を、じっくり読んでみたいときに
捨てられる場面から始まる絵本です。小さな子に渡す前に、まず大人が読んでみると安心です。
作者について
ガブリエル・バンサン(1928–2000)はブリュッセル生まれ。「くまのアーネストおじさん」のシリーズでも知られています。原書は1982年に出版され、日本語版は1986年に当時のブックローン出版(現在のBL出版)から出ました。1987年に第34回サンケイ児童出版文化賞美術賞を受賞しています。