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絵本のコンテスト・公募に応募する前に

2026.10.11作り方絵本の基礎知識

お話を作って、ダミー本でめくりを確かめて、絵を描いて、綴じた。手元に一冊の絵本があるなら、次に考えるのは「誰かに届ける」ことです。

絵本の作り方 はじめの一歩の終わりで触れた、出版社への持ち込みと公募への応募。この記事では公募のほうを取り上げます。締切や賞金などの数字は年ごとに変わるので書きません。最新の募集要項は、必ず主催者の公式サイトで確認してください。

公募で選ばれるのは「本になる前の絵本」

絵本の公募の多くは、まだ本になっていない作品を募集しています。選ばれた作品が、主催する出版社から本として刊行される、という形です。

だから応募資格には「未発表の作品」「商業出版の経験がない人」といった条件がつくことがよくあります。ここで気をつけたいのが、インターネットです。講談社絵本新人賞の要項では、ホームページやSNSで発表した作品は応募できないとされています。作りかけの絵本を見てもらいたくて途中経過を載せると、それだけで応募できなくなる場合があります。応募を考えているなら、公開は選考が終わるまで待つのが安全です。

公募から出てきた作家もいます。だるまさんがのかがくいひろしは、2005年に『おもちのきもち』で講談社絵本新人賞を受けて絵本作家になりました。特別支援学校の先生をしながら作った絵本が、公募を通って本になった例です。

代表的な公募と主催者

公式サイトで名称と主催者を確かめられたものを並べます。どれが上ということはなく、募集しているものと、選ぶ人がちがいます。

名称主催どんな公募か
講談社絵本新人賞講談社幼児・児童向けの未発表の創作絵本。受賞作は講談社から刊行される
日産 童話と絵本のグランプリ一般財団法人大阪国際児童文学振興財団(日産自動車が協賛)童話部門と絵本部門がある。1984年に始まり、大賞作品は出版される
書店員が選ぶ絵本新人賞読売新聞社・中央公論新社未発表の絵本作品。書店員が選考し、大賞は中央公論新社から刊行される
ボローニャ国際絵本原画展ボローニャ児童図書展(BolognaFiere)本ではなく、子どもの本のためのイラストを募集。国籍を問わず、選ばれると会場で展示され、年鑑に載る

上の3つは「絵本を一冊、本にしたい人」のための公募です。ボローニャは少しちがい、絵本の絵を描く人が世界に向けて絵を見せる場で、お話つきの一冊を送るものではありません。出したいのが「一冊」なのか「絵」なのかで、向かう先が変わります。

募集要項で必ず見るところ

名前と主催者を確かめたら、次は募集要項を最初から最後まで読みます。見るところを挙げます。

  • 応募資格 … 年齢や職業の条件、商業出版の経験の有無。「絵本以外の本を出したことがある人」の扱いは公募によってちがいます
  • 未発表の範囲 … 自費出版、同人誌、SNSでの公開がどこまで「発表」にあたるか
  • 送るもの … 原画か、コピーか、データか。ページ数や紙の大きさに決まりがあるか
  • 生成AIの扱い … 書店員が選ぶ絵本新人賞の要項には、制作のどの過程でも生成AIを使った作品は応募できないと書かれています。ほかの公募でも、年ごとに項目が追加されることがあります
  • 権利の条項 … 受賞したあと、出版権や二次利用の権利がどう扱われるか。応募は契約の入口でもあるので、分からない言葉があれば調べてから送ります

権利の条項は公募ごと、年ごとにちがいます。「応募した時点で承諾したことになる」項目があるのがふつうなので、読まずに送らないことが大切です。

送る前にやっておきたいこと

要項を読んだら、作品のほうに戻ります。送る前にできる確認は、作る途中でやってきたことのくり返しです。

  1. 要項のページ数と大きさで、もう一度ダミー本を作る。規定に合わせると、めくる位置が変わることがあります
  2. 文章を声に出して読んで削る。選考する人も、たいてい声に出して読みます
  3. その絵本の読者になる年齢の子どもに読んでもらう。0歳から読める絵本向きか4歳から読める絵本向きかで、見てもらう子も変わります
  4. 原画を送るなら、送る前に全ページを写真かコピーで残す
  5. 応募票の書きまちがいがないか、別の日にもう一度見る

まとめ

絵本の公募は、まだ本になっていない作品を本にするための入口です。応募する前に、公式サイトで最新の募集要項を読み、未発表の範囲と権利の条項を確かめ、規定に合わせたダミー本でもう一度めくってみてください。 結果を待つ間は、次の一冊の種を書きためておくと手が止まりません。作り方の記事は読みものにまとめています。

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