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見開きで考える ── 左から右へ進む絵本の画面

2026.11.05作り方絵本の基礎知識

絵本の絵を考えるとき、つい1ページずつ描きたくなります。けれど、本を開いた読者の目の前にあるのは、左右2ページを合わせた横長の画面です。

この画面を見開きといいます。絵本のラフ(サムネイル)の描き方で枠を横長にしたのも、そのためです。ここでは、見開きの中で絵をどちらへ進ませるか、場面をどう変えるかを考えてみます。

進む向きは、本の開く向きとそろえやすい

題に「左から右へ」と書きましたが、これは左開きの本の話です。右開きの本では向きが逆になります。

本の開き方文字の組み方(一般的な例)次のページがある側「先へ進む」に見えやすい向き
左開き横書き右左から右へ
右開き縦書き左右から左へ

人物や乗りものが次のページのある側へ向かっていると、めくる手の動きと絵の動きがそろいます。読者の手と一緒に、お話も先へ進むように感じられるのです。

絵の向きは、翻訳でも気にかけられてきたことです。かつて左開きの海外絵本を縦書き・右開きの日本語版にするとき、絵を左右反転して印刷した例があったことも、研究で報告されています。

自分の絵本を作るなら、絵を描く前に開く向きを決めておきましょう。

向きを逆にすると、何が起きるか

これは決まりではありません。逆の向きにも使いみちがあります。

たとえば、進む向きと反対から何かがやってくる場面。読者には、向こうから近づいてくるように見えるかもしれません。主人公が立ち止まる、ふり返る、家へ帰る。そんな場面で向きを変えてみるのも、ひとつの方法です。

「くり返し」と「行って帰る」の形のお話なら、行きと帰りで向きを変えるかどうかを試してみてください。効果の出方は絵や文によって変わるので、ダミー本でめくって確かめるのが確実です。

場面を変える3つの方法

次の見開きへ移るときの変え方には、たとえば次のようなものがあります。

  • 場所を変える … こんとあきは、汽車に乗ってさきゅうまちへ向かう旅のお話です。作者は林明子です。場所が移っていくお話では、前の場面とのつながりが読者に伝わるかを見ます
  • 場所は変えず、まわりを変える … ちいさいおうちは、おうちの位置を変えず、まわりの風景を変えていきます。めくることが、そのまま時間の流れになります
  • 追いかける目印を置く … 文字のないかさでは、黒い線の町の中で、女の子のかさだけが赤く描かれています。場面が変わっても、目が追うものが残ります

1つの見開きをどう使うか

見開きの使い方によっても、お話の速さは変わります。

使い方生まれやすい効果例
小さな絵をいくつも並べる1つの画面の中で時間が進むしろくまちゃんのほっとけーきの、12枚のフライパンの場面
細かいものをずらりと並べる足を止めて、じっくり見るからすのパンやさんの、パンが並ぶ場面
全面に広い景色を描くひと息ついて、広さを味わうこんとあきの、砂丘の場面
文字のない見開きを続けることばを離れて、絵に入りこむかいじゅうたちのいるところの、かいじゅうたちの島の場面

モーリス・センダックのこの絵本も、はじめは絵が小さく、だんだん広がっていきます。全部の場面を同じ使い方にする必要はありません。

自分のお話でも、いちばん見せたい場面をひとつ決めて、そこに大きな見開きを使ってみてください。すべてを大きく描くより、前後の場面との差が出やすくなります。

まとめ

見開きは、左右2ページを合わせた1つの画面です。まず本の開く向きを決め、絵の進む向きをそろえるか変えるかを、めくって確かめながら選んでいきましょう。 使える見開きの数は絵本はなぜ32ページ?の台割で確かめられます。手もとの絵本を、絵の進む向きに注目してめくるのもよい練習です。3歳から読める絵本や4歳から読める絵本から、開く向きのちがう本を探してみてください。

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