海のどこかに、小さな魚のきょうだいたちが暮らしていました。みんな赤いのに、一匹だけ黒い魚。名前はスイミー。ある日、大きなまぐろがやってきて……。ひとりぼっちになったスイミーは、海の中をおよいでいきます。
この絵本の見どころ
海の「にじみ」。 レオ・レオニはこの絵本を、水彩のにじみや、レースのような布・スタンプを使った版画的な手法で描いています。くらげはゼリーのように、いせえびは機械のように、海そうは森のように。ページをめくるごとに、ちがう質感の海が広がります。
谷川俊太郎の日本語。 「にじいろの ゼリーのような くらげ」「ドロップみたいな いわから はえてる こんぶや わかめの はやし」。声に出すと、リズムが体に残ります。日本語版の言葉そのものが、この絵本の魅力の半分をになっています。
小さいものが、考える。 スイミーは強くなるわけでも、大きくなるわけでもありません。見て、考えて、みんなに「いっしょにやろう」と言う。その答えが絵として現れる最後の見開きは、何度読んでも気持ちのいい場面です。
こんなときに
- 「ひとりだけちがう」ことが気になりはじめた年ごろに
- 海や水族館に行った日の夜に
- 小学校の国語で出会う前に、家でゆっくり読んでおきたいとき
作者について
レオ・レオニ(1910–1999)はオランダ生まれ。イタリアとアメリカで活動したグラフィックデザイナーであり、絵本作家です。『スイミー』は1963年にアメリカで出版され、日本では1969年に好学社から谷川俊太郎の訳で出ました。作者のページはレオ・レオニへ。