子どもは、こわいものが苦手なのに、こわいお話が好きです。「こわい」と言って顔をかくしたのに、読み終わると「もういっかい」と持ってくることもあります。
ここでは、こわい絵本を選ぶときの軸を3つ示してから、この街で紹介している絵本を並べました。順位ではありません。子どもの年齢や、その日の様子に合わせて選んでみてください。
こわい絵本を選ぶ3つの軸
どんなこわさか。 おばけ、大きな怪物、暗やみ。同じ「こわい」でも、中身はちがいます。見た目がこわいのか、何が起きるかわからないのがこわいのかで、合う子が変わります。
最後にどこへ帰るか。 こわい場所へ行って、ちゃんと帰ってくるお話は、こわさのあとに安心が残ります。反対に、こわいまま終わる絵本もあります。どちらが合うかは子どもによります。
年齢。 1歳ごろから読める短いものから、年長さんくらいから何日かかけて読む長いものまであります。
はじめての「こわい」に
ねないこ だれだは、夜の9時に起きているのはだれだ、と問いかける短い絵本です。ちぎり絵のおばけは、輪郭がふわふわしていて、こわいのにどこかやわらかい。最後は安心で終わるお話ではありませんが、そこが子どもに人気の理由でもあります。作者のせなけいこは、しつけのためではなく、おばけの世界に行ってみたい子どものために描いたと語っていました。寝る前の読み方は寝る前に読みたい絵本でも紹介しています。
くり返しで、ドキドキが高まる
三びきのやぎのがらがらどんは、橋の下にトロルが住んでいるノルウェーの昔話です。小さいやぎ、中くらいのやぎ、大きいやぎと、同じ橋を3回わたるたびに緊張が高まります。くり返しの型があるので、子どもは次に何が起きるかを予想しながら聞けます。予想できることが、こわさを楽しさに変えてくれます。
読み手は、トロルの声を大きくしすぎないのがコツです。こわがる子には少しやわらげ、平気な子には少し低く。子どもの顔を見ながら加減してください。
こわい場所へ行って、帰ってくる
かいじゅうたちのいるところは、部屋に閉じこめられたマックスが、かいじゅうたちの島へ行くお話です。かいじゅうたちは牙もツメもあるのに、目がどこかとぼけています。モーリス・センダックは、子どものころに見た親戚のおじさんたちから、このかいじゅうたちを思いついたと語っています。1回目はこわがっても、2回目からは平気になる子が多い絵本です。
おしいれのぼうけんは、保育園のおしいれに入れられたふたりの男の子が、暗やみのなかで冒険をするお話です。ほとんどモノクロのえんぴつ画が、暗やみのこわさを引き立てます。80ページある長いお話なので、何日かに分けて読むこともできます。こわくても手をつないで進むふたりの姿が、読み終わったあとまで残ります。
年齢とこわさで選ぶ
| 絵本 | 年齢の目安 | どんなこわさ | 読みどころ |
|---|---|---|---|
| ねないこ だれだ | 1歳ごろ〜 | おばけ | 短くて、何度でも読める |
| 三びきのやぎのがらがらどん | 3歳ごろ〜 | 怪物 | くり返しで高まる緊張 |
| かいじゅうたちのいるところ | 4歳ごろ〜 | 怪物 | こわくてかわいい見た目 |
| おしいれのぼうけん | 5歳ごろ〜 | 暗やみ | 長いお話の読みごたえ |
こわがったときは
途中で「やめて」と言ったら、そこでやめてかまいません。表紙を閉じて、また読みたくなるまで本棚に置いておけば十分です。夜がこわい子には、昼間の明るい部屋で読んでみるのもひとつの方法です。こわい絵本を、言うことを聞かせる道具にしないことも大切です。
まとめ
こわい絵本は「どんなこわさか」「最後にどこへ帰るか」「年齢」の3つで選ぶと、子どもがちょうど楽しめるこわさに出会いやすくなります。 この街の「こわい」の絵本の一覧や、3歳から読める絵本もあわせて見てみてください。