ひざの上で1人に読むのと、10人、20人の前で読むのとでは、同じ絵本でも気をつけるところが変わります。
基本の持ち方やめくり方は読み聞かせのコツにまとめました。ここでは、おはなし会や保育園・学校のクラスなど、大勢の前で読むときに変わるところだけを並べます。
遠くから見える絵本を選ぶ
いちばん大きなちがいは、後ろの列の子までの距離です。手もとで見ればすてきな絵でも、数メートル離れると何が描いてあるのかわからなくなることがあります。
選ぶときは、読む前に本を開いて床に置き、少し離れて立ってみてください。何が描いてあるかがわかれば、大勢の前でも伝わりやすい絵です。
たとえば三びきのやぎのがらがらどんは、勢いのある線でやぎとトロルが描かれていて、離れても形がつかめます。おおきなかぶは、引っぱる人や動物が1人ずつ増えていく絵なので、どこが変わったのかを遠くからでも追えます。
反対に、からすのパンやさんのパンがずらりと並ぶ見開きのように、細かく描きこまれた場面は、近くでじっくり見てこそ楽しい絵です。こうした本は、大勢の前で読んだあと、手に取れるように置いておくのもひとつの方法です。
本は体の横で、しっかり支える
ひざの上で読むときとちがい、大勢の前では、本の正面を全員に向けます。
本は胸の前より少し横で、下の部分を片手で支えます。もう片方の手でページをめくり、めくり終えたらその手はページのふちから離します。読む人の体や手が絵にかからないよう、見開きをしっかり開ききっておくことが大切です。
文を読むときは、本を自分のほうに傾けず、横から文字をのぞきこむ形になります。慣れないうちは文を目で追うのがむずかしいので、次の項目の下読みが役に立ちます。
読む前に、声に出して下読みする
大勢の前では、文から目を離して子どもたちの様子を見る時間が長くなります。そのため、前もって声に出して何度か読み、文の流れをある程度覚えておくと安心です。
下読みでは、どこでめくるか、どこで間をとるかも確かめておきます。おおきなかぶの「うんとこしょ どっこいしょ」のように、子どもたちが声をそろえたくなる言葉がある本は、その場所で少し待つと、自然にいっしょに言いはじめることがあります。
座る位置と、何冊読むか
読む人の後ろが窓だと、逆光で絵が見えにくくなります。できれば壁を背にして座り、子どもたちには本の正面に、扇形に集まってもらいます。前に座りすぎると、見上げる形になって首がつかれます。
何冊か読むときは、長さと雰囲気をまぜて組み合わせます。
| 順番 | 選び方の例 | この街の絵本から |
|---|---|---|
| はじめ | 短く、みんなで参加できる本 | きんぎょがにげた |
| まんなか | お話をじっくり聞く本 | 11ぴきのねこ、おおきなおおきなおいも |
| おわり | 気持ちが落ち着く短めの本 | 季節や行事に合わせた本 |
子どもたちの年齢に幅があるときは、いちばん小さい子に合わせた長さを目安にすると、途中で集中が切れにくくなります。年齢の目安は3歳から読める絵本などの一覧も参考になります。
まとめ
大勢の前で読むときは、遠くからでも見える絵本を選び、本を体の横でしっかり支えて、見開きを全員に向けることが大切です。下読みで文の流れを覚えておくと、子どもたちの顔を見ながら読めます。 読み終えたあとは、近くで見たい子が手に取れるように、本を置いておいてください。