読みもの

小学校入学前に読みたい絵本

2026.10.14おすすめ年齢別選びかた

年長さんの秋から冬にかけて、「もうすぐ1年生」という言葉を耳にすることが増えてきます。ランドセルを楽しみにしながら、知らない場所や新しい友だちに、こっそり不安を感じている子もいます。

ここでは、入学前の子どもの気持ちに寄りそう絵本を、3つの軸に分けて並べました。順位ではありません。「学校の準備」として読むのではなく、いつもの読み聞かせの1冊として選んでみてください。

軸1:ひとりでやってみる

小学校に入ると、登下校や身のまわりのことなど、ひとりでやる場面が少しずつ増えます。その「はじめて」の緊張を描いた絵本です。

はじめてのおつかいは、5歳のみいちゃんが、ひとりで牛乳を買いに行くお話です。坂道で転んだり、お店で声が出なかったり。大人から見れば小さなできごとが、みいちゃんにとっては大事件として描かれます。絵は林明子です。町の様子がすみずみまで描きこまれているので、通学路を歩くときのように、まわりを見ながらページをめくるのも楽しみ方のひとつです。

読み終わったあと、「みいちゃん、どきどきしてたね」と気持ちを言葉にしてみると、子どもが自分の「はじめて」を話しはじめることがあります。

軸2:こわい気持ちといっしょに進む

入学前の不安は、なくそうとしても、なかなか消えません。こわい気持ちを持ったままでも一歩ずつ進める、と伝えてくれる絵本があります。

ラチとらいおんの主人公ラチは、犬も暗い部屋もこわい、とても弱虫な男の子です。そこへ小さな赤いらいおんがやってきて、ラチはらいおんといっしょに少しずつ強くなっていきます。作者はハンガリーのマレーク・ベロニカです。

らいおんがポケットにいると思うだけで勇気が出る、という場面は、お守りを持って出かけたい子どもの気持ちにそのまま重なります。お話の終わりかたは、ここには書きません。入学が近い子と読むと、大人のほうが胸にくるかもしれません。

軸3:みんなで力を合わせる

学校は、たくさんの友だちと過ごす場所です。ひとりではできないことを、みんなでやりとげるお話を選びました。どちらも小学校の国語で出会うことの多いお話なので、家で先に親しんでおくのもいいと思います。

おおきなかぶは、大きくなりすぎたかぶを、おじいさん、おばあさん、まご、いぬ、ねこ、ねずみが順に加わって引っぱるロシアの昔話です。「うんとこしょ どっこいしょ」をいっしょに声に出すと、それだけで楽しい時間になります。

スイミーは、きょうだいの中でひとりだけ黒い魚のスイミーが、仲間といっしょにある方法を考えるお話です。作者はレオ・レオニ、日本語は谷川俊太郎の訳です。「ひとりだけちがう」ことが気になりはじめた子にも、そっと手わたせる1冊です。

3つの軸のちがい

軸絵本こんな子に
ひとりでやってみるはじめてのおつかい「ひとりで行ける?」が気になっている
こわい気持ちと進むラチとらいおんこわがりで、新しい場所が苦手
みんなで力を合わせるおおきなかぶ/スイミー友だちができるか心配している

入学前の時期の読み方

ひらがなが読めるようになってくると、「自分で読んでみて」と言いたくなるかもしれません。でも、自分で読むことと、読んでもらって聞くことは、べつの楽しみです。子どもが読みたがったときは任せ、そうでないときは、これまでどおり大人が読んであげてください。

また、絵本を「学校でがんばるための教材」にしすぎないことも大切です。お話を楽しんだ結果として、少し勇気が出ることがある。そのくらいの気持ちで十分です。同じ本を何度も読みたがるときは、同じ絵本を「もういっかい」と言われたらもあわせて読んでみてください。

まとめ

入学前の絵本は「ひとりでやってみる」「こわい気持ちと進む」「みんなで力を合わせる」のうち、いまの子どもの気持ちに近い軸から選ぶと、無理なく手わたせます。 長いお話を探しているときは4歳・5歳におすすめの絵本や5歳から読める絵本、学校で出会う絵本は「小学校で出会う絵本」の一覧も参考にしてください。

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