読みもの

コールデコット賞ってなに?

2026.10.01絵本の基礎知識選びかた

海外の絵本の紹介を読んでいると、「コールデコット賞受賞」という言葉によく出会います。名前は聞いたことがあっても、どんな賞なのかは意外と知られていません。

ここでは、賞を選んでいる団体の公式情報をもとに、コールデコット賞の基本と、この街で読める受賞作をまとめます。

アメリカの絵本に贈られる賞

コールデコット賞(Caldecott Medal)は、アメリカ図書館協会の一部門である児童図書館サービス協会(ALSC)が、毎年贈っている絵本の賞です。

対象は、前の年にアメリカで英語で出版された子ども向けの絵本。そのなかで最も優れた一冊の 絵を描いた人 に贈られます。受賞できるのは、アメリカの市民または居住者の画家に限られています。

ポイントは「絵」に贈られる賞だということです。お話の出来ばえではなく、絵本の絵がどれだけすぐれているかが問われます。

名前の由来と、はじまり

賞の名前は、19世紀イギリスの絵本画家ランドルフ・コールデコットにちなんでいます。

子どもの本の読みものに贈られる「ニューベリー賞」と対になる賞として提案され、最初のメダルは1938年に贈られました。それから毎年、受賞作が選ばれています。

「賞」と「オナー」のちがい

コールデコット賞は、その年に1冊だけ選ばれます。それとは別に、同じくすぐれた作品として オナー(Honor) に選ばれる本があります。日本では「オナー賞」「次点」と紹介されることもあります。

公式情報によると、以前は「次点(runners-up)」と呼ばれていたものが1971年に「オナー」という呼び名に変わり、それより前の年の作品にもさかのぼって使われるようになりました。

絵本の紹介に「コールデコット賞」とあるか「コールデコット・オナー」とあるかで、どちらに選ばれたかがわかります。

この街で読める受賞作・オナー作

この街で紹介している絵本のなかから、ALSCの受賞作リストで確認できたものを並べます。

絵本作者年選ばれかた
ちいさいおうちバージニア・リー・バートン1943賞
もりのなかマリー・ホール・エッツ1945オナー
かいじゅうたちのいるところモーリス・センダック1964賞
スイミーレオ・レオニ1964オナー
フレデリックレオ・レオニ1968オナー

1964年は、『かいじゅうたちのいるところ』が賞に、『スイミー』がオナーに選ばれた年です。ペンの細かい線で描かれたかいじゅうと、スタンプやにじみで描かれた海。同じ年の候補でも、絵の表情はまったくちがいます。

作家で見ると、マリー・ホール・エッツは『クリスマスまであと九日』で1960年に賞を受けています。三びきのやぎのがらがらどんの絵を描いたマーシャ・ブラウンは、賞を3度受けた画家です。

受賞作の一覧は、コールデコット賞の絵本のページからも見られます。

賞は「入口」のひとつ

受賞作は、古いものだと80年以上前の絵本です。それでも日本語訳が読みつがれている本が多く、図書館でも見つけやすいのが、賞を手がかりにするよさです。

ただし、賞は大人の審査員が選んだもの。子どもが気に入るかどうかは、また別の話です。絵の好みはひとりひとりちがうので、「受賞作だから」と無理にすすめるより、表紙を並べて子どもに選んでもらうくらいがちょうどいいかもしれません。

まとめ

コールデコット賞は、アメリカで出版された子どもの絵本のなかから、すぐれた「絵」に毎年贈られる賞です。賞のほかに「オナー」があり、どちらも日本語で読める作品がたくさんあります。 次に海外の絵本を選ぶとき、表紙の帯や紹介文にこの名前があるか、気にしてみてください。

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