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絵本のお話の作り方 ── 「くり返し」と「行って帰る」

2026.09.24作り方絵本の基礎知識

絵本のお話を考えはじめると、「何が起きて、どう終わればいいのか」で手が止まることがよくあります。

そんなときは、長く読みつがれている絵本の骨組みを借りるのが近道です。絵本の作り方 はじめの一歩で少しふれた「くり返し」と「行って帰る」のふたつの型を、この記事ではもう少しくわしく見ていきます。

型1:くり返し ── 同じことが、少しずつ変わりながら起きる

くり返しの絵本では、同じ場面が何度も起きます。ただし、まったく同じではありません。毎回どこかが少しずつ変わります。

おおきなかぶでは、かぶを引っぱる人が一人ずつ増えていきます。「うんとこしょ どっこいしょ」のかけ声は同じで、並ぶ顔ぶれだけが長くなっていく。聞いている子どもは、次に何が起きるかを予想できるので、安心して声を合わせられます。

てぶくろも、同じ形です。雪の森に落ちたてぶくろに、動物が一匹ずつやってきて、なかに入れてもらいます。やってくる動物はだんだん大きくなり、「もう入らないのでは」という気持ちも、だんだんふくらんでいきます。

三びきのやぎのがらがらどんは、くり返しを3回にしぼった例です。小さいやぎ、中くらいのやぎ、大きいやぎが、順番に同じ橋をわたります。回を重ねるごとに、橋の下のトロルとのやりとりの緊張が高まります。

くり返しの型で大事なのは、変えるところと変えないところを決めることです。

  • 変えないもの:かけ声、せりふ、場面の形
  • 変えるもの:人数、大きさ、強さ、こわさ

変えないものがあるから、子どもはいっしょに言えます。変えるものがあるから、ページをめくりたくなります。

型2:行って帰る ── 出かけて、何かがあって、戻ってくる

もうひとつの型は、主人公がいつもの場所から出かけて、また戻ってくるお話です。

かいじゅうたちのいるところでは、部屋に閉じこめられたマックスが、かいじゅうたちの島へ向かいます。遠くで思いきり暴れて、そして帰ってきます。行った先がどんなにふしぎな場所でも、帰る場所があることで、子どもは安心して最後まで聞いていられます。作者のモーリス・センダックは、絵の大きさまでこの行き来に合わせて変えています。

行って帰るお話の「行き先」は、遠い島でなくてもかまいません。はじめてのおつかいは、家からすぐそこのお店までの道のりです。大人にとってはほんの数分の距離でも、はじめてひとりで歩く子にとっては大冒険になります。こんとあきは、汽車に乗っておばあちゃんの家へ向かう旅です。

行って帰る型では、出かける前と帰ったあとで、主人公の中で何かが変わっていることを意識します。場所は元に戻っても、気持ちは元どおりではない。その差が、読み終えたあとの余韻になります。

ふたつの型をくらべる

くり返し行って帰る
骨組み同じ場面が少しずつ変わりながら続く出かける → 何かがある → 戻る
子どもが楽しむところ次を予想して、いっしょに言う知らない場所へ行くどきどき
向いている年齢の目安小さい子から少し長いお話が聞けるころから
作るときの要点変えるものと変えないものを決める帰ったときに何が変わったかを決める

もちろん、ふたつの型は組み合わせることもできます。行った先で同じことが3回起きる、という作りの絵本もたくさんあります。

自分のお話を型に当てはめてみる

書きためたアイデアがあったら、次のどちらかの一文にしてみてください。

  • くり返しなら「〇〇が、△△するたびに、□□が増えて(大きくなって)いく」
  • 行って帰るなら「〇〇が、△△へ行って、□□を持って(知って)帰ってくる」

一文にならないときは、まだお話の芯が決まっていないのかもしれません。反対に、一文になれば、あとはページに割りふるだけです。

型は窮屈なきまりではなく、迷ったときに戻れる地図です。型どおりに作ってみて、物足りなければそこから崩していけばいい、くらいの気持ちで使ってみてください。

まとめ

絵本のお話づくりに迷ったら、「くり返し」と「行って帰る」のどちらかの型に当てはめてみるのがおすすめです。くり返しなら変えるものと変えないものを、行って帰るなら帰ったときに何が変わったかを決めると、お話の芯が見えてきます。 型の手ざわりを知るには、3歳から読める絵本を何冊か続けて読んで、骨組みだけを書き出してみるのも役に立ちます。

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