読みもの

友だちとけんかした日に読む絵本

2026.10.23おすすめ選びかた読み聞かせ

保育園や学校から、むすっとした顔で帰ってくる日があります。聞いてみると、友だちとけんかをしたらしい。そんな日に、絵本は「どうしたらよかったか」を教える道具ではなく、気持ちをいったん置いておける場所になります。

ここでは、友だちとけんかした日に読みたい絵本を4つの軸で並べました。順位ではありません。子どもの様子に近いものから選んでみてください。

軸1:怒りをそのまま見つめる

けんかをした直後は、まだ怒りがおさまっていないことがほとんどです。

けんかのきもちは、なかよしのこうたと大げんかをした、たいのお話です。こうたがあやまっても、たいの気持ちはすぐには切りかわりません。太い線と強い色で描かれた絵から、くやしさで体が熱くなる感じが伝わってきます。

この本は「早くゆるしてあげようね」とは言いません。腹が立っている自分を、そのまま見ていていい。けんかの当日に読むなら、まずはこの1冊がおすすめです。

軸2:けんかした相手と、いっしょに乗りこえる

けんかした相手は、次の日も同じ教室にいます。

おしいれのぼうけんは、保育園でけんかをして、おしいれに入れられたさとしとあきらのお話です。暗やみのなかで、さっきまでけんかしていたふたりが、手をつないでいっしょにこわいものに立ち向かいます。80ページある長いお話なので、年長さんから小学校低学年に、何日かに分けて読むのも楽しい読み方です。

仲直りのことばがなくても、いっしょに何かをやりとげるうちに関係がもどっていく。子どものけんかには、そういうこともよくあります。

軸3:ちがっていても、仲間

けんかのもとが「あの子だけ、ちがうことをする」だったときは、少し視点を変えてみます。

フレデリックは、仲間が冬にそなえて働くなか、ひとりだけじっとすわっているのねずみのお話です。仲間はふしぎに思いながらも、フレデリックを追いだしたりはしません。スイミーも、ひとりだけ色のちがう小さな魚が、仲間といっしょにやり方を考えるお話です。どちらも作者はレオ・レオニで、4歳ごろから読めます。

「ちがう子がいてもいいんだね」と大人がまとめる必要はありません。お話をながめるだけで、子どもはいろいろなことを考えています。

軸4:なかよしの気持ちを思い出す

少し時間がたって、怒りがしずまってきたら、なかよしでいるうれしさを思い出せる絵本もいいでしょう。

あおくんときいろちゃんは、なかよしのあおくんときいろちゃんが、うれしくて抱きあったら、ふたりとも緑になってしまうお話です。顔も手足もない色のまるが、喜んだり泣いたりします。2歳ごろから楽しめるので、小さい子のけんかの日にも手わたせます。

11ぴきのねこのねこたちは、約束をやぶるし欲ばりですが、いつもいっしょにいます。けんかを少し引いた目で笑える、にぎやかな1冊です。

4つの軸のちがい

軸絵本年齢の目安読むとよさそうなとき
怒りをそのまま見つめるけんかのきもち4歳ごろ〜けんかをした当日
けんかした相手と乗りこえるおしいれのぼうけん5歳ごろ〜数日かけてゆっくり
ちがっていても仲間フレデリック/スイミー4歳ごろ〜けんかのもとが「ちがい」だったとき
なかよしの気持ちを思い出すあおくんときいろちゃん/11ぴきのねこ2歳ごろ〜/3歳ごろ〜気持ちが落ちついてから

読むときの心がまえ

けんかの絵本を読んだあとに、「だから明日あやまろうね」と結論をつけたくなることがあります。けれども、仲直りのタイミングを決めるのは子ども自身です。絵本は、気持ちを話すきっかけになれば十分です。読みかたの基本は読み聞かせのコツも参考にしてください。

まとめ

友だちとけんかした日の絵本は、「いま子どもがどの気持ちのなかにいるか」で選ぶと、仲直りを急がせずに寄りそえます。 友だちや仲間を描いた絵本は「なかま」の一覧、4歳ごろからの絵本は4歳から読める絵本でも探せます。

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