絵本作家になるのに、資格や免許はいりません。決まった学校を出る必要もありません。そのぶん「どうやってなるのか」が見えにくい仕事です。
この記事では、絵本作家になる人がたどることの多い道すじを、サイトで紹介している作家の経歴を例に並べます。どの道が正解ということはなく、何人もの作家が、それぞれちがう入口から絵本の世界に入っています。
道すじ1:公募に応募する
まだ本になっていない作品を募集し、選ばれた作品を本にする。それが絵本の公募です。
だるまさんがのかがくいひろしは、特別支援学校の教員として働きながら絵本を作り、2005年に『おもちのきもち』で講談社絵本新人賞を受けてデビューしました。50歳のときです。年齢や経歴に関係なく、作品そのもので選ばれるのが公募のよいところです。
公募ごとの主催者や募集要項で見るところは、絵本のコンテスト・公募に応募する前ににまとめています。締切や応募規定は年ごとに変わるので、最新の募集要項は公式サイトで確認してください。
道すじ2:出版社に持ち込む
作品を出版社の編集部に見てもらう方法です。受け付けているかどうか、郵送か面談か、原画かコピーかは、出版社ごとにちがいます。受け付けていない出版社もあるので、まず各社の公式サイトで案内を確かめます。
持ち込んだ作品が、すぐに本になるとは限りません。編集者に作品と名前を知ってもらい、感想を聞く機会と考えておくと気が楽です。見せるのは、完成した原画よりも、流れが分かるダミー本のほうが話が早い場合もあります。どこでめくって、何が起こるのか。それが伝わるかどうかを見てもらう場だと考えると、準備するものがはっきりします。
道すじ3:別の仕事から入る
紹介済みの作家の経歴を見ると、絵本の前に別の仕事をしていた人が少なくありません。
| 作家 | 絵本の前にしていたこと | 代表的な絵本 |
|---|---|---|
| 五味太郎 | 工業デザインの仕事 | きんぎょがにげた |
| ヨシタケシンスケ | イラストレーター | りんごかもしれない |
| 馬場のぼる | 漫画家 | 11ぴきのねこ |
| かがくいひろし | 特別支援学校の教員 | だるまさんが |
前の仕事は、絵本の中に残っています。五味太郎の整理された画面と明快な色、馬場のぼるのとぼけた線。イラストや漫画の仕事でつながりのある編集者から絵本の話が来る、という入り方もあります。
また、林明子は、はじめは筒井頼子の文に絵をつける形ではじめてのおつかいなどを発表し、のちに自作の絵本も手がけました。まず「絵」の担当として絵本に関わる道もあります。
道すじ4:自費出版で形にする
印刷所や自費出版のサービスを使って、自分で費用を出して本にする方法です。手に取れる一冊ができ、イベントや知り合いに手渡せます。
ただし、費用や契約の内容、書店に並ぶかどうかはサービスによって大きくちがいます。契約前に条件をよく読み、分からない点は確かめてから進めてください。また、自費出版した作品は、公募の「未発表」にあたらなくなる場合があります。公募も考えているなら、要項を先に読んでおきます。
どの道でも、いまできること
入口はちがっても、手元でやることは同じです。
- 種を書きためて、お話の型に組んでみる
- ダミー本を作り、読者になる年齢の子どもに読んでもらう
- 一冊で終わらせず、次の作品を作る
まとめ
絵本作家になる道は、公募、持ち込み、別の仕事からの転身、自費出版などいくつもあり、ひとつに決まっていません。どの道でも、ダミー本まで作り切った作品が手元にあることが出発点になります。 作り方の流れは絵本の作り方 はじめの一歩から読めます。