絵本の棚をながめると、主人公がどうぶつの本がたくさんあります。けれども、ひとくちに「どうぶつの絵本」といっても、どうぶつが子どもの代わりになっている本もあれば、どうぶつそのものを描いた本もあります。
ここでは、どうぶつの描かれ方を4つの軸に分け、年齢の目安と絵の雰囲気をそえて並べました。順位ではありません。いまの子どもに近いところから選んでみてください。
軸1:子どもの分身としてのどうぶつ(0歳〜2歳ごろ)
小さい子の絵本では、どうぶつは「自分と同じ年ごろの子」として登場することが多いです。
いないいないばあでは、ねこやくまがページをめくるたびに顔を見せ、読んでいる赤ちゃんとまっすぐ目を合わせます。にじんだ色のやわらかい絵です。しろくまちゃんのほっとけーきのしろくまちゃんは、たまごを落としたり粉をこぼしたりしながら、お母さんとホットケーキを作ります。
ゆきのひのうさこちゃんは、はっきりした線と少ない色で描かれています。どこに何があるかがすぐにわかるので、1歳ごろから手わたせます。
軸2:どうぶつらしさを描くどうぶつ(3歳〜4歳ごろ)
3歳をすぎると、「犬ってこうするよね」「うさぎってこう動くよね」という、どうぶつらしさそのものを楽しめるようになります。
どろんこハリーは、おふろがきらいな犬のお話です。どろんこになったハリーは、家に帰っても家族に気づいてもらえません。黒と緑と黄色だけの、すっきりした画面です。
ピーターラビットのおはなしは、服を着ていても骨格や動きは本物のうさぎとして描かれています。作者のビアトリクス・ポターの観察にもとづく絵で、小さな判型も手になじみます。しろいうさぎとくろいうさぎは、さわれそうなほどふわふわの毛並みが見どころです。
軸3:群れでにぎやかなどうぶつ(3歳ごろ〜)
どうぶつがたくさん出てくる絵本は、数がふえていく楽しさがあります。
てぶくろは、雪の森に落ちたてぶくろに、ねずみからくままで、どうぶつがつぎつぎ入ってくるお話です。11ぴきのねこは、ずるくてちゃっかりしたのらねこたちが、大きな魚をつかまえに出かけます。作者は漫画家でもあった馬場のぼるです。
三びきのやぎのがらがらどんは、小・中・大の3びきが順に橋をわたります。勢いのある線で描かれ、少しこわいお話が好きな子に向いています。
軸4:大きな問いを運ぶどうぶつ(4歳〜5歳ごろ)
どうぶつの姿を借りることで、生きることや自分の役割といった大きなテーマが、身がまえずに読めるようになります。
フレデリックは、仲間が冬にそなえて働くなか、光や色や言葉を集めるのねずみのお話です。ちぎった紙のコラージュで描かれています。
100万回生きたねこは、何度も生まれかわるとらねこが、はじめてだれかを大切に思うお話です。死と生をまっすぐに描いた絵本なので、5歳ごろからを目安に、大人がいっしょにゆっくり読むのがよいでしょう。大人が自分のために読む1冊としても手にとられています。
4つの軸をくらべる
| 軸 | 絵本 | 年齢の目安 | 絵の雰囲気 |
|---|---|---|---|
| 子どもの分身 | いないいないばあ/しろくまちゃんのほっとけーき/ゆきのひのうさこちゃん | 0歳〜2歳ごろ | やわらかい色、はっきりした形 |
| どうぶつらしさ | どろんこハリー/ピーターラビットのおはなし/しろいうさぎとくろいうさぎ | 3歳〜4歳ごろ | 少ない色、観察にもとづく細かい絵 |
| 群れでにぎやか | てぶくろ/11ぴきのねこ/三びきのやぎのがらがらどん | 3歳ごろ〜 | とぼけた線、勢いのある線 |
| 大きな問い | フレデリック/100万回生きたねこ | 4歳〜5歳ごろ | コラージュ、表情の変わる絵 |
まとめ
どうぶつの絵本は、「どうぶつが子どもの代わりなのか、どうぶつそのものなのか」を見ると、年齢に合う1冊を選びやすくなります。 ほかのどうぶつの絵本は「どうぶつ」の一覧で、年齢から探すなら3歳から読める絵本も参考にしてください。主人公をどうぶつにするか人にするかの話は、絵本の主人公の作り方で書いています。