お話ができて、ダミー本も形になってくると、最後まで決まらずに残りがちなのが題名です。
題名は、表紙にのる最初のことばで、読み聞かせのときに最初に声に出すことばでもあります。ここでは、この街で紹介している日本の絵本の題名を4つの型に分けて、自分の絵本に題をつけるときの手がかりを探します。海外の絵本の邦題と原題のちがいは邦題と原題がちがう絵本で紹介しています。
主人公の名前をそのまま題にする
いちばんまっすぐなのは、主人公の名前を題にする方法です。
ぐりとぐらやこんとあきは、ふたりの名前を「と」でつないだだけの題名です。読む前から「このふたりのお話」だとわかり、シリーズになっても呼びやすい形です。
名前に、その本でのできごとを足す形もあります。しろくまちゃんのほっとけーきは「だれが」と「何を」が題に入っているので、表紙を見た子が中身を想像しやすくなります。
主人公がはっきりしているお話なら、まず名前だけの題を仮につけてみるのがおすすめです。主人公の決め方は絵本の主人公の作り方にまとめています。
くり返しと音で題にする
小さな子に向けた絵本では、意味より音が先に立つ題名がよく見られます。
もこ もこもこは、本のなかに出てくる音のことばがそのまま題になっています。おおきなおおきなおいもは「おおきな」を2回重ねることで、声に出したときに大きさが伝わります。
だるまさんがは、文の途中で切れた題名です。「だるまさんが……どうしたの?」と続きを待つ気持ちが、そのままページをめくる力になります。
この型を選ぶときは、題を何度か声に出して、口にしたくなるかどうか を確かめてみてください。
問いかけで題にする
題名を問いかけの形にすると、読む人は表紙の時点でお話に参加しはじめます。
ねないこ だれだは、夜ふかしをしている子への呼びかけがそのまま題になっています。サンタクロースってほんとにいるの?は、子どもが一度は口にする疑問です。りんごかもしれないは問いかけの形ではありませんが、「かもしれない」で終わることで、読む人に考える余地を残しています。
問いかけの題は、お話が「答え」を出しすぎないときに合います。題で問いを出し、本文でいっしょに考えるという組み立てです。
できごとや場所を題にする
お話のなかで起きることや、舞台になる場所を題にする方法もあります。
きんぎょがにげたやはじめてのおつかいは、できごとをひとことで言いあらわしています。おしいれのぼうけんは、身近な場所と「ぼうけん」という大きなことばの組み合わせが、読む前から気になる題名です。
かさやあめふりのように、ひとことだけの題もあります。短い題は表紙の絵を主役にしやすく、絵で多くを語る絵本と相性がよい形です。
4つの型をくらべる
| 型 | 例 | 合いやすいお話 |
|---|---|---|
| 主人公の名前 | ぐりとぐら、こんとあき | 主人公がはっきりしていて、続きも描きたい |
| くり返しと音 | もこ もこもこ、だるまさんが | 小さな子と声に出して楽しむ |
| 問いかけ | ねないこ だれだ | 読む人に考えたり答えたりしてほしい |
| できごと・場所 | きんぎょがにげた、おしいれのぼうけん | ひとつのできごとが軸になっている |
題名に迷ったら、型ごとに1つずつ、4つの案を書き出して表紙のラフに入れてみてください。表紙の絵と並べると、ことばだけで考えていたときとはちがう案がしっくりくることがあります。同じ題の本がすでにないかを、図書館や書店で調べておくと安心です。
まとめ
題名は、主人公の名前・音・問いかけ・できごとのどれを入り口にするかで、読む前の印象が大きく変わります。いくつか案を出して声に出し、表紙の絵と並べてから決めると、お話に合う題が見つかりやすくなります。 ほかの題名の例は、3歳から読める絵本の一覧で題だけを読みくらべてみるのもおすすめです。